ケアテックス福岡'25に登壇しました

【満員御礼!】
ご参加いただいた皆さま、関係者さま
ありがとうございました。

先日、「ケアテックス福岡’25」にて、セミナー講師として登壇させていただきました。
当日は100名以上のお申し込みがあり、おかげさまで満席となり、業種を問わず多くの皆さまにご参加いただきました。想像以上に関心をお寄せいただき、心より感謝申し上げます。

私のセミナーは、ただ聞いていただく形式ではなく、皆さんと一緒に“つくる”を大切にしています。
途中で、思い出す力をアップする体操を取り入れたり、受講者の方のご意見をお尋ねしたり、その場で掛け合いをさせていただきながら進行していきます。
初対面にも関わらず、マイクを持って積極的にご発言いただいたり、質問に手を挙げてくださったりと、私にとってもあっという間の1時間でした。

また、今回の開催にあたっては、株式会社ブティックスのご担当者さまにも多大なお力添えをいただきました。
「どのようにすれば、参加者の方がもっと楽しめるか?」と、一緒に試行錯誤を重ねてくださったことが、大きな支えとなりました。

ご参加くださった皆さま、そしてご尽力いただいた関係者の皆さまに、まずは心より御礼申し上げます。

認知症「なんで難しい?」の正体

実際のスライド

認知症の難しさを、一緒に整理する時間

認知症の進行を遅らせるためには、「運動・知的活動・社会参加」の3つが柱になります。
しかし現場では、「ご本人に自覚がないため動機づけが難しい」「症状の個人差が大きく、何をすれば良いのか分からない」「“認知症は治らない”という前提から、支援者側に諦めが生まれてしまう」など、日々さまざまな壁に直面しています。

そこで今回のセミナーでは、まずこの“難しさ”に正面から向き合い、言語化するところから始めました。
課題を見て見ぬふりをせず、あえて言葉にすることで、現場で抱えるモヤモヤや迷いを見える化し、共有する。
その課題を理解したうえで、認知症があっても「できた!」という小さな達成感を、どうすれば引き出せるのか?そうした問いを、参加者の皆さまと一緒に考える時間となりました。

未だに、業界全体に根深くある「認知症=進行する」という前提が、時に“うまくいかなくても仕方がない”という暗黙の空気を生んでしまうこと。
その構造自体がケアの足を止めているのではないか、という問題提起には大きな反響をいただきました。

私自身も、この件についてお話しするか、とても悩みました。
しかし、受講者の皆様方は、「認知症があっても、何かできないか?」と考えてご参加いただいたと思い、私の考えをお話させていただいた次第です。

正解のない支援だからこそ、「一緒に悩む」「一緒に考える」姿勢がスタートラインです。
この時間が、そんな現場と向き合うきっかけになれば嬉しく思います。

何をするかではなく、どうするか?

実際のスライド
実際のスライド


当日は、現場ですぐに実践できるポイントをいくつかご紹介させていただきました。


①その人にあった体操の大切さ

受講者の皆さんには、実際に“アタマの体操”を体験していただきました。
今回は、受講者の皆さんの年齢に合わせた内容で作成しました。
その年齢層や特性に合わせて内容を調節することで、「一人ひとりに合ったもの」がいかに大切かを体感していただくことができたと思います。


②現場で、「すぐに」使える体操の紹介

「ネタがない」そんな日に何かすぐに使える体操も必要かと考え、道具もコストも必要なし。
シンプルだけれど効果抜群。
そんな“今日からすぐにできる”体操もご紹介しました。
特別な技術がなくても「すぐ」取り入れられること、忙しい業務の合間に「すぐ」できる。
私も元医療スタッフだからこそ、現場のスタッフの気持ちも考えたものも大切と考えます。


③今ある取り組みに、専門家のエッセンスを+α

新しいことを始めるのは、現場にとって負担を感じませんか?
私自身、施設のアドバイザーに伺うと、介護士さんが「今日のレクリエーションどうする?」「夏祭りは?」とレクリエーションやイベントで悩んでいる姿をよく拝見します。
だからこそ、実際に現場で行っている体操やレクリエーションに、ほんの少し専門家の視点やコツを加えることで、より質の高い体操へとつなげる提案をしました。


リハビリ事例
バスに乗ることが「できない→できる」に戻った女性
実際のスライド
実際のスライド

また、私がこれまで関わってきた事例も紹介しました。
現場の頑張りによって、もう一度バスに乗れるようになった事例についてです。
認知症の評価バッテリーはありますが、それだけでその人を把握することは難しい。
だからこそ、どう課題を見つけていくかを考えることが大切です。

最後に、アドバイザー・オブザーバー(第三者)としての支援についてもお話をさせていただきました。
現場に入り、職員の皆さんと一緒に「この方に今、どんな関わりができるだろう?」を考える。
考える、やってみる。このプロセスこそが、変化を生む原点だと私は考えています。

参加者のご感想の一部
(アンケート&DMより)

楽しくて、あっという間だった。

ケアテックス参加後、今日は業務でレクリエーションの担当でした。
準備の段階で「どんな風にご利用者さんを楽しませようか」といつもより気合いが入っていました。
それは昨日、宮崎先生の話を聞いたからだと気づき、急いで感想を送らせていただきました。
また、お話が聞きたいです。

(一般社団法人 職員様)

とてもわかりやすかった。

上席の付き添いで参加。私にはわからないと半分寝るつもりで参加しましたが、面白くてあっという間に1時間が終わっていました。


(福岡市内病院 職員様)

今後の活動の参考になった。

先生の名刺を頂き、直接確認相談をさせて頂きます。

(一般社団法人 職員様)

久しぶりにお会いできて。

10年ほど前になりますが、私は宮崎先生と仕事でお会いしたことがあります。
長崎地区で開かれた地域ケア会議で、私が担当していた認知症の女性について、地域でどう支えていくかを話し合う場でした。

その方は、夜になると「仕事から帰ってきていない息子を迎えに行く」と言って外に出てしまうことがありました。
当時は、今よりも認知症に対する理解が少なくて、地域の方や警察からも「こういう人は施設に入ってもらわないと困る」という声が多く、正直、私自身もつらい気持ちになっていました。

そんなとき、認知症リハビリのオブザーバーとして参加されていた宮崎先生が、
「もし自分や家族、友達が認知症になったら、やっぱり追い出したくはないはずです。だったら、どうすれば一緒に暮らしていけるかを考えてみませんか?」と、地域の皆さんに語りかけてくださいました。

さらに、
「息子さんがよければ、ご近所の方に“夜に出てしまうことがある”と伝えておくのも一つの方法です」
「もし見かけたら、息子さんや警察に連絡がいくような動線を作るのはどうでしょう?」と、すぐに実践できる提案をしてくださいました。

その一言で、空気が少しやわらぎ、施設入所の話も一旦止まりました。
あのときの宮崎先生の言葉と姿勢は、今も心に残っています。

その後、先生が病院を辞められたと聞いて少し残念に思っていたのですが、今回のセミナー案内でお名前を見つけて「もしや…!」と思い、はるばる長崎から申し込みました。

宮崎先生より「家を出ていく彼女の地域ケア会議が、行政で仕事をしようと思ったきっかけなんです」と後日談をお聞きしました。
今も変わらず認知症の方のために動いていらっしゃることを知り、とても嬉しく思いました。
10年前と変わらない姿勢に、あらためて感動しました。お会いできて、よかったです、ありがとうございました。

(長崎県 居宅ケアプラン事業所職員様)

認知症ケア・リハビリテーションに正解はありません。
でも、「今日より少し笑顔が増えた」「いつもより頑張っている」

その小さな積み重ねが、ご本人にもご家族にも、そして支援者にも、きっと大きな希望になるはずです。

今後も現場の皆さんとともに、「できる」を引き出す支援を続けていきたいと思っています。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。

明日の現場をもっと良くなる。
アタマカラと一緒に考えませんか?

アタマカラでは、「認知症の方とそのご家族が安心して暮らせるように」「これから認知症になる方が減らせるように」という想いで、
“オーダーメイド講座”と”企業顧問アドバイザー(オブザーバー)”活動を行っています。

お手軽!オーダーメイド講座とは?

対象者、目的、テーマ、時間…
それぞれの地域や施設、イベント、企業に合わせて、
ひとつオリジナルで企画・構成する講座です。

例えば…

  • 行政主催
    「認知症予防のための講座」「地域で共存する認知症」
  • デイサービス/施設職員向け
    「認知症の関わり方と質の向上を目指した研修」
  • シルバー人材センター
    「働くことで、認知症を予防する」
  • 民間企業
    「親の健康を守りながら、仕事を続けるために」
  • 企業イベントでの体験型レクリエーション講座 など

医療や福祉の専門職だけでなく、地域住民やご家族など、どなたにもわかりやすく、「参加してよかった」「現場で使えそう」と感じていただけるよう心がけています。

内容はすべて依頼内容をお聞きしてから構成しますので、「こんな内容で話してほしい」「施設のPRも兼ねたい」といったご要望や費用も柔軟に対応可能です。

<ご利用料金の目安>
 おおよそ 50,000円
(1時間半 人数制限なし)

<料金に含まれるもの>
 ・講座
 ・交通費(福岡市内)
 ・事前打ち合わせ(1時間)
 ・オリジナル資料作成

※値段はあくまで目安であり、ご希望金額に合わせて内容を調整することが可能です。お気軽にお問い合わせください。

企業顧問アドバイザーとは?

施設さま、企業さまに作業療法士が訪問します。
それぞれの施設、企業の課題に合わせ、どのように解決するか考えていきます。

例えば…

  • リハビリスタッフがいない施設さま
    「介護スタッフでもできるリハビリの方法を教えて欲しい」
  • 認知症のご利用者を獲得したい施設さま
    「認知症に力を入れていることを顧客に示したい」
  • 民間企業さま
    「社員自身の健康相談や家族の相談を受けて欲しい」
    「社員のやる気を引き出して欲しい」
  • 行政さま
    「市民のボランティアの育成をして欲しい」

作業療法士の視点で、課題を見つけ、解決策を提案し、実現までサポートします。また、行政での経験を活かし、健康や福祉に関する幅広いご相談に対応できます。脳・身体・心理の専門知識をもとに、認知症ケアだけでなく、市民の方や社員さまのやる気や意欲の引き出しも行なっています。

<ご利用料金の目安>
 おおよそ100,000円(月2回の訪問)

<内容の具体例>
・具体的なリハビリ指導
・職員向け定期研修
・各種ご相談

まずは、お気軽にご相談ください

「堅苦しくない講演をしてほしい」
「リハビリ視点を入れた健康体操を教えてほしい」
「職員にも利用者さんにもプラスになる取り組みを考えたい」

そんな声に、一つずつ丁寧にお応えします。
お気軽にご相談ください。

私たちと一緒に、現場に“できた!”と笑顔を増やす時間をつくっていきましょう。



投稿者プロフィール

認知症リハビリ専門 宮崎有希